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まじめでは成績は伸びない？

「効く反復学習」と「ダメな反復学習」

学習の王道は、何と言っても「繰り返すこと」です。私たちの脳は、「よく使う記憶は大切に違いない」と考えます。だから反復学習をするか？しないか？の差はとても顕著です。ちゃんと学習を繰り返せば基本的には学力は伸びていきます。

にもかかわらず、真面目にコツコツ繰り返していても、なぜかなかなか点数が伸びていかない。そういう子が時々います。そうするとお父さんお母さんとしては、見ていてもどかしかったり、あるいはかわいそうになってしまったりして、悩み深くなりますね。そんな「要領の悪い反復練習」になってしまう原因は何なのでしょうか？
ここでは、その原因の指摘とともに、改善方法をお伝えします。

1.まじめが良いのか？

真面目よりも、要領が大事

実は、まじめに勉強したからと言って成績が伸びるわけではありません。

ある実験があります

・テストでやったところを全部覚え直す。

・できなかったところだけを覚え直す

両方を比べた実験結果があります。

その結果、「できたものは覚え直さなくても」よい。覚えたものを、何度も繰り返しても、正答率に大きな差は出ませんでした。

できているのに、再度覚え直す作業は、あまり意味がない。という事です。

覚えた事を繰り返すよりも、テストを行う事で記憶が定着するようです。学校でテストが繰り替えされるのは、「記憶を定着させる」ためです。

これは「テスト効果」と呼ばれます。

2.脳の仕組みとは？

脳のしくみ

脳のしくみはインプットよりもアウトプットを重視しています。つまり、出力する事で記憶が定着するわけです。

脳は、私たちが考えるよりもだいぶ偏重しています。

勉強を頑張っているように見えるのに、一向に成績が上がらない子がいます。

これは、インプット過多のケースが多いのです。

例えばテスト1回目で良い点を取ろうとして、その前に何度もテキストを読み込んで覚えようとしたり、ノートをきれいに書き直したり。

しかし、そういったやり方は、効率が悪いわけです。

繰り返すべきなのはインプットではなく、アウトプットのほうです。

このことをよく覚えておきましょう。

3.一気に覚えたらダメ

一気に覚えたら一気に忘れる

「短期集中的」な学習は、テストが終わって1ヵ月もすれば、記憶からきれいに消えてしまいます。

「一夜漬け」をすればするほど、勉強内容は頭から抜けていきます。

短期で学習をする事は、あまり意味がありません。

短時間で集中的に覚えた内容は、脳が忘れやすいという特徴があります。

このことは科学的に実証されています。

方程式でも、英単語でも、記憶として定着させるためには、反復して忘れたころに再度解きなおすことが大事です。

4.脳の性質について知ろう

記憶に残すためには分散学習を

勉強した内容を定着させるためには、復習が不可欠です。

何度も繰り返すことで、学習したことが身についていきます。脳は1日で70%も忘れてしまいます。

復習は一気に何度もやってはいけません。期間をおいて、勉強を繰り返す事が大事です。

この効果を「スペーシング効果」と呼びます。スペーシング効果は、「エビングハウスの忘却曲線」で知られるドイツの心理学者ヘルマン・エビングハウスが発見しました。

エビングハウスの忘却曲線から導き出される、復習の最適なタイミングは、「1日後」「1週間後」「1か月後」の3回です。

復習するときには何回かに分けて、時間を分散させて勉強するようにしましょう。

「集中学習」は、宿題を提出直前にやる子（男の子に多い）だけでなく、出された宿題をすぐに片づけてしまう真面目な子（女の子に多い）でも同じことです。

集中してやる事で、すぐに忘れてしまう訳です。

真面目な事がかえってあだになってしまうのは、本当にもったいないです。子どもには「分散学習」が効果的ということを教えてあげてください。

5.まとめ

分散学習が大事

勉強はまとめてやらずに分散してやりましょう。

短期的に一気にやると、一気に忘れて終わりです。何事もコツコツ続けていくのが大事です。

記憶を定着させるには、一定の時間をおいて、何度も繰り返す事が最も大事です。

宿題を一気に片づけるのは、ギリギリでも早くてもどっちもNGです。記憶に定着させるための勉強方法を日々意識しながら時間を使っていくことが大切です。

ぜひ、勉強をする習慣、「自学自習」の習慣をつくるようにしましょう。