中高一貫校にも種類がある

埼玉の中高一貫校とは?

埼玉の公立中高一貫校

公立の中学、高校の良さとは

人気の4校をご紹介

高校から費用をかけて大学受験の対策をする。というのが昔は一般的でした。しかし、近年は少子高齢化の影響やグローバル化の流れに伴い教育業界にもイノベーションが起っています。

 

「中高一貫校に入れないと、難関大学に受からない」というのは、もはや常識になりつつあります。

そこで、今回は、埼玉県にある中高一貫校や、そのメリット、違いについてなどを解説していこうと思います。

 

目次

1.【基本】中高一貫校とは?

2.【埼玉】埼玉県の中高一貫校

3.【県立】県立の伊那学園

4.【市立】市立浦和中とは

5.【英語】大宮国際中の特徴?

6.【川口】設備がすごい川口市立中の特徴

8.【まとめ】受験対策の早期化

 

この記事が、少しでもお役に立てたら嬉しいです。

 

 

1.中高一貫校とは?

経済的負担が小さい

公立の中高一貫校とは?

中高一貫校は、中学と高校を合わせた学校の事です。メリットは「よい大学に合格しやすい」という部分です。詳しくは、中高一貫校のメリットは?を参照してください

 

公立中高一貫校は、私立に比べて費用を抑えて6年間の学びを得られることから人気が高まっています。

そのため、私立よりも倍率が高く、入試の難易度が高いことでも有名です。

埼玉では、「市立浦和、川口市立中、大宮国際中、伊奈学園中」と4つの公立中高一貫校があります。それぞれ特徴が違いますが、そこは、後で説明します。

 

暗記だけでは通用しない

公立中高一貫校の入試では、適性検査、作文、面接(グループディスカッションも含む)、小学校からの報告書などの組み合わせから、総合的に能力を判断されます

 

適性検査の出題範囲は、小学校で学んだことに限定されていますが、思考力を問われるので、大人が解くのにも時間がかかるような問題ばかりです。

出題内容を見て、いかにその場で考えられるか。

出題者の意図を理解して、適切な答えを考え出せるか?が大事になります。

 

読解力に加えて、問題を解くスピードまで求めてきます。

これを小学生がやるのですから、対策をしていないと、ひとたまりもありません。

 

また、適性検査は、「自分の意見や提案をいかに伝えられるか?」がポイントとなっています。

他人に伝える力です。

この辺りは、昔のテストと大きく違うところです。読解力+コミュニケーション能力が必要な試験になっています。

 

 

つまり、「読解力」「思考力」「表現力」と3つの力をバランスよく伸ばしていく必要がある。という事です。

 

公立中高一貫校では入試科目の中に、グループディスカッションが入っています。このあたりは、個人だけで、対策を練るのは、難しいかもしれません。

 

志望者が増えていることから、公立中高一貫コースなどを開講している学習塾もあります。「伊奈学園中専門塾」など、専門性を高めて、特定の学校に合格させる塾も人気となっています。

 

 

・学費が安く、先取学習ができる

・テストが難しい

・対策が必要になる

 

 

2.埼玉県の中高一貫校とは?

4つあります

埼玉県には、公立の中高一貫校が4つあります。私立をふくめると14の中高一貫校があります。

「伊奈学園、浦和中、大宮国際、川口市立」とかなり人気のある学校となっています。多くの学校が倍率4倍以上になっています。

 

公立や県立、市立の中高一貫校は、授業料が安い。

というのが特徴です。私立よりも、この点が圧倒的に優れています。私立では学費と生活費、塾の値段を合わせると、年間100万ほどの学費がかかってきます。

 

公立は学費が無料に近いので、経済的な負担が減るという点でも人気があります。

しかし、デメリットもあります。

それは、募集している地域が狭い。という事です。川口市立中などは、市が運営をしている学校なので、川口市に住んでいる事が条件となります。

 

①埼玉県立伊奈学園中学校 埼玉県北足立郡伊奈町羽貫1300-1 共学

②さいたま市立浦和中学校 埼玉県さいたま市浦和区元町1-28-17 共学

③さいたま市立大宮国際中等教育学校 埼玉県さいたま市大宮区三橋4-96 共学

④川口市立高等学校附属中学校 埼玉県川口市上青木3-1-40 共学

 

これらの学校では、それぞれ特徴があり、求めている学生も違います。

それでは、一つ一つみていきましょう。

 

・募集地域が狭く偏っている

・今後増える事を願っています

・学費が安く、質が良い学習環境

 

 

3.県立の伊那学園

伊那学園中学校

伊奈学園中学校は、伊奈学園総合高等学校の併設中学校として2003年度にできました。

「高い知性と豊かな感性・表現力を備えた国際社会に貢献できる生徒の育成」を教育目標としています。

 

6年間を通じて、授業を受けられるので、大学入試に圧倒的に有利なのは、他の中高一貫校と同じです。

 

 

全校生徒約2400人を抱える伊奈学園総合高等学校は、大学のように時間割を自分で組み立てることができる「総合選択制」の高校としても有名。敷地面積も東京ドーム3個分だそうです。

高校には、大学でいう学科のような7つの「学系」がありますが、中学からの内部進学生は「人文系」あるいは「理数系」に進むのが原則です。

中学での定員は80名。

高校の規模と比べるとかなり小規模です。伊奈学園中学校のWebサイトでも「大きな学園の小さな学校」としてきめ細やかな教育をする、とあります。

埼玉県の公立中高一貫学校には、本校のほか、市立浦和と大宮国際がありますが、県立の学校は伊奈学園だけです。

 

【倍率】

平成30年度の志願倍率は4.5~5.4倍。

80人の募集人員に対して男子143人、女子223人の志願者がありました。平成29年度は5倍を超えていたので、倍率は少し落ち着いたと言えるのかもしれません。(以前は選考の前に抽選が行われていましたが、今は抽選はありません。) 志願者も合格者も、例年女子の方が多いのが、伊奈学園中学校の特徴です。

 

【試験】

伊奈学園中学校の入学者選抜では、2種類の適性検査と作文が行われます。

それぞれ50分間です。都立中などの内容と比べると、私立中学の入学試験問題と近い印象。私立向けの対策をしているお子さんには取り組みやすいかもしれません。

・作文Ⅰ(適性検査Ⅰ):国語・社会系 ・作文Ⅱ(適性検査Ⅱ):算数・理科系 ・面接:10分程度の個人面談(1次検査の合格者のみ)

 

理系の問題も文系の問題も共に「作文」という名称で行われるのが伊奈学園中学校の特徴。

ただし、内容は、いわゆる適性検査をイメージしていれば問題ありません。

 

・県立の一貫校で珍しい

・女性の合格者が多い

・適正検査と面接による試験

 

 

 

 

4.市立浦和中とは

市立浦和中とは

市立浦和中学は2007年に設立された学校で、高い入試倍率の人気校です。

偏差値は60前後と高く、倍率は6.8倍前後となっています。ちなみに、倍率は5倍以上になると、かなり難しい。という事を頭に入れておいてください。

公式サイトはこちら>>

 

【大学合格】

難関国公立大への合格者数は、右肩上がりで増え続けています。国公立大学現役合格者数は30%前後で推移しています。

市立浦和中に入学して6年間、学年で上位3割に入っていれば、現役での国公立大学に合格できる可能性がかなり高くなります。

 

【試験について】

1次試験で適性検査Ⅰ・Ⅱ、2次試験で適性検査Ⅲとディスカッション・個人面接を行い、合否を判定します。読解力を要する問題や記述問題が多いのが特徴です。

 

1次選抜 ・適性検査Ⅰ(45分) 適性検査Ⅰは大問が5問。国語の文章読解2問、社会2問、国語社会の融合問題が1問です。文章読解は選択問題・記述問題で構成されています。心情変化や内容理解についての書き抜き、空所補充、正誤判定問題を主として、一部慣用句や接続詞などの知識問題が出題されます。 社会では単純に知識を問う問題は少なく、知識と資料分析の複合的な力を測る問題がほとんどです。

さいたま市を題材にした「さいたま問題」が毎年出題されることも特徴の一つです

 

・適性検査Ⅱ(45分) 適性検査Ⅱは、算数が2問、理科が2問、算数理科の融合問題1問で構成されています。 算数では、空間図形・体積・時間・速さなどの、小6で学習する分野から多く出題されます。理科は実験結果の考察、基本的な原理の理解が求められます。

また、それらについて「なぜそうなるのか」を説明する技術も求められます。

初見の題材について考えさせるような問題も多いです。

 

2次選抜 ・適性検査Ⅲ(45分) 会話文、資料を読み取ってから、300字程度の作文を書く問題が3問出題さます。45分の検査時間で解答するには、読解・作文ともにスピードが求められます。

会話文の中には「作文規定」が明示されています。資料の読み取りに加え、「作文規定」を正確に素早く把握して作文することが合格のカギとなります。

 

1.上位30%で国立に現役合格できる

2.教育実習生の受け入れ先として

3.不登校等の教育課題を解決・研究するため

 

 

5.大宮国際中の特徴

大宮国際中のとは

2019年4月に開校された公立中高一貫校です。Grit(やり抜く力) Growth(成長し続ける力) Global(世界に視野を広げる力)という3つの力を伸ばす事を目指しています。

大宮国際中では、これからの時代に必要な「英語」の授業に力を入れています。

 

大宮国際中に合格するには、英語の力だけではなく、市立浦和と同様に「読解力」や「記述力」も必要です。また、1次試験の適性検査や2次試験の集団活動で英語の知識が必要なことからも分かるように、英語教育に力をいれています。

 

【大学合格について】

2019年に学校ができたので、まだ合格の実績はありません。6年間を通して、グローバル教育が受けられるので、将来は海外の大学で学びたい。と思っている人には向いている学校であると言えます。

 

【特別枠】

大宮国際中では帰国子女の合格枠を作っています。全生徒の10%は帰国子女の枠があります。海外で生活していて、埼玉県の大宮周辺に住んでいるのであれば、受験候補にしてみるのもおすすめです。

 

■1次選抜

・適性検査A

具体的な状況を題材として、資料やグラフ、図などを読み取らせながら、国語、算数、理科、社会、英語の総合的な学力を測る問題です。音楽、図工などの実技系教科の出題にも備える必要があります。

また、放送される英語を聞いて、絵を見ながら答える問題が出題されます。放送のスピードはそれほど速くなく、語彙も小学校のグローバル・スタディの授 業レベルの基礎的な内容です。一方で、メモを取りながら聞き取らないと正解できないような難しい問題も一部出題されています。

・適性検査B

文章・表・グラフ・図を読み取り、自分の知識を活用して考え、課題を解決する力が必要です。また、様々な事象について理解し、分析し、説明する力も求められます。 大問3で長文読解問題が出題されることが特徴の一つです。問題を解き進める順番や、問題によっては手を付けずにおくという判断も、合否を分ける要素といえます。

 

■2次選抜 について

・適性検査C

文章(会話文など)や資料を読み取り、その分析結果を300字程度の文章で記述する記述型の問題が3題出題されます。45分でおよそ900字を書ききるためには、読解・作文ともにスピードが求められます。

 

会話文の中には「作文規定」が明示されています。資料の読み取りに加え、「作文規定」を正確に素早く把握して作文することが合格のカギとなります。

 

・集団活動

小学校のグローバル・スタディで身に付けた、英語によるコミュニケーションの力をみられます。

 

・グローバル学習ができる

・将来、海外に留学したい人に良い

・英語に力を入れている学校

 

 

6.川口市立中の特徴

川口市立中

川口市立中の特徴とは?

ICTを活用した授業などを積極的に取り入れ、次世代のリーダーを育成する事を目標にしています。

そのため、入試に「適性試験」や「面接」などを取り入れています。 普通の勉強だけでなく、企業訪問など、体験を重視した学習のカリキュラムも組まれています。

 

【試験対策】

川口市立中に合格するには、基本の学力を上げる事と、さらに、適性検査と面接に合格する必要があります。とくに適性検査の対策はとても重要になります。

 

2021年1月16日第1次選考 志願者数:581人、実受験者数:563人、倍率7.0倍

 

2021年1月23日第2次選考 1次合格者:189人、実受験者数:189人、倍率2.4倍 でした。

1次選考で合格しても、2.4倍という狭き門です。

 

【試験について】

他の中高一貫校と同じで、適正検査と面接になります。

長文や複数の資料を読み、自分なりの答えを出す必要があります。

 

試験は

・小学校教育課程を逸脱しない

・各教科を横断した問題が多い ・記述・作文が多い というのが特徴になっています。

 

【設備について】

川口市立中は、川口市が気合を入れて作っただけあり、校舎はとても綺麗です。

 

川口市立中

説明会をやっているので、ぜひ親子で見にいってはいかがでしょうか?

女子更衣室などの設備に、一部、不評な点があるようですが、設備は私立の学校よりも凄いと思います。

 

・お金がかかっている

・設備がすごい

・更衣室などの配慮が...

 

 

7.中高一貫校と公立中学の違い

 

上のグラフの通り、中高一貫校で勉強をした場合、高校3年生で1年間の入試対策ができます。

これは、受験にとって、確実に有利というわけです。

 

 

 

公立中学

中高一貫校

国語

3

4~6

数学

4

5~6

英語

3~4

5~6

理科

3~4

3~4

社会

3~4時間

3~4時間

※学校によって違いがあります

 

公立の中学では、週4時間、年間140時間ほどの授業量となっています。しかし、私立の中高一貫校などは、学校にもよりますが、6時間以上とっている所もあります。

基本的には、1.5倍を目安に、「国語、数学、英語」の3科目の授業料を増やす傾向にあります

 

国語、数学、英語の最も大事な3科目で、公立中学を選んだだけで、学力の差が大きくなってしまいます。

将来、難関国立などの受験を考えている場合、中学受験をさせた方がよい。という結論になります。

 

・3科目に大きな差が

・普通の中学では受験対策で不利

・一貫校は学習の量が多い

 

 

まとめ

学費が安い

受験の世界も変わり続けている

こどもを持つ親も、先生になった経験はなくても、むかし学生だった経験があります。しかしながら、自分が受けてきた教育が正しかったのか?は疑問が残るかと思います。

 

最近の受験は、昔と違い、大学受験をするのに、小学校から対策が必要になっています。

「中高一貫校に行かせる」というのは20年前では、一般的ではありませんでした。

 

現在では、小学4年生から対策をしないと、大学の難関校には合格できなくなりつつあります。

 

 

さらに、灘中などは、高校からの学生の受け入れを中止しています。高校から編入してきた生徒のレベルが低すぎる・・・というのが原因のようです。

 

中高一貫校では、この流れが加速しています。

つまり、首都圏では難関校の合格を目指すなら、中学受験をするのが常識になりつつあるのです。

 

受験勉強の前倒しは、もはや常識であり、東大に合格するには、中高一貫校にいって、前倒しで高校の勉強を中学生のうちに取り組む事が、当たり前になりつつあります。

 

埼玉県は、私立、公立を含めて今後も中高一貫校が増えていく可能性があります。

情報を集めて早めの対策を立てていきましょう!

 

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